Kindleを始めとした電子書籍が定着し、紙の本を買わない人も増えてきました。筆者もその一人。最近はもっぱら、購入するなら電子版を選んでしまいます。
電子書籍を読む方法はいくつかありますが、スマートフォンで読むユーザーが最も多いでしょう。とはいえ、やはり専用機である「電子書籍リーダー」は、専用機たらしめるだけの魅力があります。
筆者がここ2年ほど愛用しているのが、Amazon純正の電子書籍リーダー「Kindle Oasis」。Kindleシリーズの最上位モデルということもあり、やや値が張るのですが、その価格に見合っただけの魅力を毎日感じています。
その魅力の多くを占めているのは、「電子ペーパー」は見やすいということ。スマートフォンで使われる有機ELや液晶と比べると、電子ペーパーは目に優しく、そして文字も読みやすいのです。
また、Kindle Oasisは、下位モデルとなる「Kindle」や「Kindle Papaerwhite」にはない、上位モデルならではの機能も備えています。実際に使って良いと感じている点も盛り込みながら、本機の魅力に迫っていきましょう。
7インチの電子ペーパーを搭載
まずKindle Oasisは、Amazonの電子書籍サービス「Kindle」を利用するための専用端末です。電子書籍ストアはKobo、Reader Store、bookliveなどもありますが、本機はKindleのみの対応。スマートフォンに比べると汎用性は低いですが、Kindleで購入する方が多いので、困らない人が多いと思います。
先述のように、一番の魅力は電子ペーパーを搭載していることです。スペック的には、7インチ/300ppiのスクリーンとなり、下位2モデルの6インチよりも大きいディスプレイです。解像度にすると1264×1680pxで、実際に使用していて、漫画でも問題ないほどの水準だと感じています。(なお、エントリーモデルのKindleのみ画素密度が167ppiと低く、実際に使った体感でも、このモデルで漫画は厳しいなと感じました)
ちなみに、表面は反射しにくい加工がされていて、触るとさらさらとしています。スマートフォンでは光沢のあるグレアが多く、反射を抑えようとするとノングレアタイプのフィルムを貼ることになりますが、表面がざらざらして地位なさ文字が見づらくなってしまいます。Oasisに限ったことではないですが、Kindleシリーズは反射を抑えながらもざらざらしていない表面のため、小さな文字であっても見やすいのです。
文字が見やすく目に優しい
電子ペーパーの魅力は、とにかく文字が見やすいということです。電子ペーパーは有機ELや液晶とは異なり、ピクセルがドットとして見えません。まるで紙の印刷のように、文字のフォントもスムーズに表示されます。なお、より詳しい電子ペーパーのメリットは別記事でも紹介しています。
また、目に優しいということも、電子ペーパーの特徴です。有機ELや液晶はパネル自体が発光するタイプですが、電子ペーパーはそれ自体が発光するわけではなく、環境光を反射するタイプです。これは紙と同じで、画面の光で目がチカチカするということはありません。
電子ペーパーでは外光を反射するので、スマートフォンのように「明るいところでは画面が暗くてみえない」という心配もなく、太陽光の下でも快適に使えます。
逆に暗いところではどうするかというと、Kindle Oasisには、パネルの上から光を当てるフロントライトを搭載しています。25個のLEDが搭載されており、最大にすると眩しいくらいの輝度を備えています。照度センサーによる自動調光にも対応しているので、いちいち明るさ設定しなくて良いのもメリットです。
フロントライトは色温度調整に対応
そしてこのフロントライトですが、2019年モデルから、色温度の調整にも対応しました。
蛍光灯のような青白い色から、電球のようなオレンジ色までの24段階で調整可能です。
電球色の照明でも違和感なく使えることはもちろん、ブルーライトも抑えられるため、個人的に重宝しています。
こちらは環境に合わせて調整する機能はついていませんが、日の出・日没に合わせて調整する機能があるので、筆者はこの設定を愛用しています。
余談ですが、電子ペーパーの仕組みの一つに、「書き換え時以外に電気を使わない」という特徴があり、低消費電力といえます。スマートフォンで電子書籍を読むとそれなりに電池を消費しますが、Kindle Oasisの場合、1回の充電で最大6週間利用可能(メーカー公称値)です。
筆者も毎日使っていますが、実際の利用でも2-3週間くらいに1回充電するくらい。このバッテリー持ちの良さも、本機が気に入っている理由の1つです。
片手でも使いやすいデザイン
外観は金属製で、手に持つだけで高級感が感じられます。力をいれてもたわむ感じがしないので、バッグに入れて持ち運ぶ際でも安心。
なお、IPX8等級の防水を備えているため、数十分であれば水に沈めても大丈夫という仕様も備えていたりします。
デザインで驚くのはその薄さで、最薄部は4mmほどです。
手で持つ部分だけグリップのように分厚くなっており、薄いのでやや持ちにくい部分はありますが、片手でも疲れることなく本を読むことが可能です。
そして個人的に、Kindle Oasisの使いやすさに貢献していると思うのが、ページ送り/戻しの専用ボタン。下位モデルのKindleやKindle Paperwhiteは搭載しておらす、Kindle Oasisのみの搭載なのですが、全モデルに搭載してほしいくらいのボタンです。
このボタンを使わない場合、ページ送りはスクリーンを指でスワイプする必要がありますが、そうすると両手を使わないとページ送りが厳しいです。ボタンからページ操作が行えることで、片手で持ったまま本を読み続けられます。無駄な動作がないので、本を読む速度も早くなるなど、一度使ったら戻れません。
全ての電子書籍ユーザーにおすすめしたい
筆者は、過去にエントリーモデルのKindleを買ったものの、あまり使わずに眠らせてしまった過去があります。しかし、Kindle Oasisを使うようになってからは、ほぼ毎日利用しています。その理由は画面の解像度で、やはりKindleの167ppiでは厳しいものがありました。これから購入されるかたは、PaperwhiteもしくはOasisがおすすめです。
また、Kindle Oasisはシリーズで最も画面が大きく、文庫本と同じくらいのサイズで表示ができます。漫画を読む方はもちろん、文章をガッツリと読みたい方は、やはりOasisが快適なのだと思います。上述のKindleは6インチでやや小さいという印象がありましたが、Kindle Oasisの7インチではそういった不満は感じていません。
なお、愛用しているのは、32GB、wifi+無料4G、広告なしのモデルですが、32GBだけ選べば、あとはwifiのみ&広告つきでも良いかなというのが正直な感想です。容量は後から増やせないこともあり、漫画を読む方は、32GBを選んだほうが後悔しないと思います。
2年ほど本機を愛用してきましたが、「やはり電子書籍リーダーは専用機なだけはあるな」というのが、ずっと変わらない印象です。特に電子ペーパーは見やすく疲れにくいので、一度使ってしまうと、スマートフォンやタブレットよりもKindle Oasisを手にとってしまいます。
電子書籍をよく読むという方ほど、専用機であるKindleシリーズのメリットが感じられるはずです。Oasisが高いというかたはPaperwhiteでも十分な性能ですので、まずは試してみてはいかがでしょうか。