ソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」には、各種設定が行えるiOS/Android用の専用アプリ「Headphones Connect」が用意されています。
このアプリの設定項目の中に、「Bluetooth接続品質」というものが用意されているのですが、設定によってSBC接続時の音質が変わってくることがわかりました。
聴感上では、これまで「音質優先のほうが音がいいな」と感じていたのですが、接続のデータをチェックしたところ、やはり設定でビットレートが変わってくるようです。
先に結論から話すと、SBC接続の場合、Bluetooth接続品質が「音質優先」と「接続優先」では、音質優先のほうが良くなるということがいえます。
ログを確認
今回、Bluetoothの接続を確かめるにあたり、Android端末でBluetooth HCI snoopログを取り、その内容を確認しました。
結果、SBCの音質を決めるBitopoolの値が、音質優先では「53」、接続優先では「35」であるということがわかりました。
Bitpoolというのは、SBCにおけるデータ転送量を決めるための値のこと。今回の数字をビットレートに変えると、音質優先では328kbps、接続優先では229kbpsで接続されているといえます。
MP3のリッピングをしたことがある方はピンとくるかもしれませんが、328kbpsと229kbpsは結構大きな差です。(なおリッピングでは、128kbps、192kbps、256kbps、320kbpsが代表的な設定でした)
Windowsで使うなら「音質優先」設定
WindowsでWF-1000XM4を使う場合、SBC接続になってしまいます。AndroidではLDACやAAC、iOS/MacではAACが使えますが、WindowsではSBCしか利用できません。
今回確かめた結果から、Bluetooth接続品質を “音質優先” に設定しておくだけで、Windowsで使う場合でも、よりよい音質で楽しめるといえます。
Windowsではログを確認できていませんが、アプリからの設定項目はデバイスに保存されるはず。実際に聴いた感覚でも、音質優先/接続優先で明らかな差がWindowsでも感じられました。
余談ですが、筆者はWF-1000XM4を、WindowsとAndroidで使っています。Androidの方では、音質優先にすると電池消費の激しいLDACで接続されるため、Androidの設定からHDオーディオをオフに設定して、あえてのSBC接続にしています。こうすることで、WindowsとAndroidを行き来する場合であっても、最低限の音質をもちながら楽しめるという、おすすめの設定です。