Camera RAWが「SIGMA 28-70mm」をついにサポート

6月11日に行われたAdobe Camera Rawのアップデート「バージョン 13.3」で、シグマのレンズ「SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN C021」がついにサポートされました。

このレンズ、とても小さくて写りが良いのですが、RAWデータをPhotoshopで開くと、歪みや周辺光量落ちを自動補正できないのが悩みでした。3月の発売以降、ようやくプロファイルが内蔵されたので、これで作業が楽になります。JPEGは撮影時にカメラ内で補正してくれていましたが、やはりRAWで撮ることが多いので、待ちに待ったアップデートです。

余談ですが、最近のレンズは、デジタル補正を前提にしたものが多いです。特に、周辺光量落ち&歪曲収差はその典型で、シグマの28-70mmも、補正を前提にしているように感じます。

補正を前提にすることで、レンズを小さくできたり、そのぶん解像度に注力できたりします。昔のレンズは補正を前提にせず、素の光学性能を追求していましたが、いまでは補正できる部分はデジタルに任せることで、設計の自由度が高まっています。

収差にはコマ収差や球面収差などいくつか種類がありますが、そのなかで歪曲収差は画像を変形すれば修正できます。周辺光量落ちについても、暗くなった部分を明るくするだけです。

とはいえ歪曲収差は、複雑な形に歪んでいると補正に手間がかかります。そのため、多少は歪みが大きくなったとしても、修正しやすい素直なかたちになるよう設計するのです。

28-70mmはワイド端だと樽型、テレ端だと糸巻き型の歪曲収差ですが、歪みの量は大きめで、四角いものを撮影するとすぐに分かるレベルです。また、周辺の光量落ちも大きめですので、補正しないと暗いイメージになります。

今回、Camera RAWにプロファイルを内蔵してくれたことで、複数の画像をワンクリックで補正できるようになります。これまで手動で補正していましたが、これでかなり楽になります。

なお、Camera RAWの初期設定では、レンズ補正は有効になっていません。もしこれまで使っていなかった方は、「レンズ」のプルダウンをクリックして、「プロファイル補正を使用」にチェックをいれてみましょう。