シグマ「28-70mm F2.8 DG DN」購入。ファーストインプレッション

F2.8通しのズームレンズは「大三元」と呼ばれ、カメラ好きからすると憧れの対象です。そんな大三元のレンズは写りはいいものの、高い・重い・大きいの三拍子。そのぶん画質がよく、プロ御用達レンズのひとつではあります。とはいえ趣味で写真を楽しんでいるユーザーからすると、気軽に手が出しにくい存在です。

そんなF2.8通しのズームレンズに、シグマから常識を覆すようなモデルが登場しました。それが、「28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」です。大きさはF2.8のレンズとは思えないほどコンパクトで、重さも500g切り。価格も実売99,000円(税込)という、大三元としては手頃な価格です。ソニー純正の「24-70mm F2.8」は約30万円もすることを考えると、いかに安いか感じられると思います。

ソニー「α7C」に装着した状態

今回購入したのはソニーEマウント。SIGMA fpやLUMIX S1などに対応するライカLマウントも用意されています。今年の3月12日に発売、その直後に注文したのですが、そこから約2ヶ月待って手に入れることができました。途中、初期ロットのゴースト問題などで生産が止まっていた影響もありますが、先述のように小さくて安いこともあり、とても人気のようです。

ソニーEマウントでは、競合製品としてタムロンの「28-75mm F2.8 Di III RXD」があります。こちらもしばらくは品薄になるほどの人気製品で、筆者も購入を考えたことがあります。ただ、気になったのはレンズの全長が長いこと。長いと取り回しが悪くなりますし、見た目的にもズームレンズのようで、踏みとどまってしまいました。

シグマの28-70mmはタムロンよりも全長が短く、より軽いことが個人的に大きな魅力です。ズームレンズでは一般的な、ズーム時に鏡筒が伸びるタイプですが、繰り出し量も特別多くなく、使いやすい水準。ズーム時のガタの少なさは特筆するべき点で、全体的に精度が高く、満足感のある作り込みです。

シグマのF2.8通しの標準ズームレンズでは、先行して「24-70mm F2.8 DG DN | Art」がリリースされています。重さを後回しにして画質を追求するArtラインらしく、ミラーレス向けとしては大柄でずっしりとしているレンズです。なお、型番のDGはフルサイズ対応、DNはミラーレス専用設計の意味です。

購入した28-70mm F2.8は、コンパクトさに配慮したContemporaryラインの製品です。とはいうものの、メーカーによると画質は24-70mm F2.8とほぼ同一とのこと。設計者も同じだと説明しています。焦点距離が4mm違うだけで、ここまでの小型軽量化を成し遂げたことに驚くばかりです。

もちろんArtラインと比べると、本体がプラスチック製であったり、防塵も簡易的なものにとどまっています。それでも満足度を感じさせる精度、マウント部のシーリングなど、単なるグレードダウンでなく、しっかりと作り込まれています。

細かい点ですが、AF/MFの切り替えがある点も嬉しいところです。使わない方も多いかもしれませんが、ブログで物撮りすることが多いと助かります。平面などピントが合わない被写体も多いのですが、ソニーαだとAFとMFの切り替えがワンタッチでできず、とっさに使いたいときには不便でした。

スイッチ類はAF/MF切り替えのみです。24-70 F2.8では、このほかにAFLスイッチとズームロックスイッチがありますが、このあたりは価格的に省略されたのでしょう。むしろシンプルなほうが操作に迷わないので、好感がもてます。

これまで使用していたのは、α7Cのキットレンズ「FE 28-60mm F4-5.6」です。大きさの違いは並べてみると圧倒的ですね。カメラに装着した際も、FE 28-60mmでは軽快さがある一方で、28-70mmではずしっと感じます。その重さがむしろ、所有欲を満たしてくれるのですが。持ち運びを考えると軽いことに越したことはないので、旅行など場面に応じて使い分ける予定です。

まだ届いたばかりで画質をしっかりと試せていませんが、近接撮影性能の高さは、すぐに気がついた嬉しいポイントです。テレ端70mmでの最短撮影距離は38cm。これまで使用していたFE 28-60mmは60mmで45cmと、寄れないレンズだったので不便に感じることも多々ありました。

近ごろは単焦点レンズでも寄れるものが増えてきましたが、やはり寄れると便利です。物撮りで小さいものを撮ったり、細部に寄ったりする際に活躍します。日常のシーンであっても、気に入ったところにより迫ることができるので、ダイナミックな表現が可能です。

まだ届いてから軽くさわったのみですが、それでも多くの魅力を感じています。何度も繰り返しになりますが、F2.8でこの大きさは驚くばかり。10年前には想像もできなかったほどの進化です。これもミラーレス専用設計だからこそ為せる技なのでしょう。

オートフォーカスについても、純正品ではないので期待していない部分はありましたが、十分に高速な水準。スポーツや動体は試していませんが、純正であっても28-60mmのようなミドルクラスのレンズと遜色ないくらいの感覚です。これならストレスも感じることなく使っていけそうです。

しばらく使用していくことで見えていく部分はあるものですが、軽くさわった感想としては、特に欠点の見つからない優等生です。不満点が見つかりません。届いてまだ数時間のレンズですが、はやくも気に入りました。これからはメインの相棒として、末永く愛用していけたらと思います。

執筆:びゃらま

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