本ブログの撮影に使っているストロボを買い換えました。新しく導入したのは、Godoxというメーカーの「V1」というモデルです。
通常33,000円で販売されているのですが、Amazonプライムデーの特価でなんと約20,000円に。以前から悩んでいたモデルでしたが、安さに釣られての衝動買いでした。
結果としては、買い替えて良かったです。やはり丸型ヘッドは光の広がりがよく、合わせて購入したワイヤレスシステムの使い勝手もよいなど、おすすめできるモデルだと思いました。
特徴的な“ラウンドヘッド”
本機の一番の特徴は、ヘッドが丸型であることです。一般的なクリップオンストロボは長方形ですが、これだと光が四角くなってしまいます。これを丸型にすることで、より自然なライティングが行えるわけです。
同じような製品としては、プロフォトのA1というモデルがあります。A1のほうが先行して登場したモデルですので、V1が後から追いかけた格好です。
本当はA1が欲しかったのですが、こちらは約10万円と、かんたんに手が出せる価格ではありません。しかしV1であればその1/3以下で買えるということもあり、注目していたわけです。
本体の大きさは76×93×197mmで、重さは530g(バッテリー込)です。試しにNikon「Z 50」に装着してみましたが、根元に負荷がかかり折れそうで怖い。カメラの上に乗せるのであれば、フルサイズ以上の大きい本体のほう良さそうです。
筆者の場合は、後述するワイヤレス送信機「X1T」と組み合わせることで、カメラと別のスタンドに固定し、そこから発光させています。こういった使い方であれば、本体の大きさは気になりません。
そして、このような撮り方をオフカメラライティングといいます。こちらも後述しますが、丸型ヘッドはこの使い方で真価を発揮するのです。
本体の背面には、操作ボタンと液晶パネルを備えています。白いバックライト(モードによってはオレンジ)も搭載されているので、室内でも表示が見やすいです。
安いモデルでは、数字が7セグメント表示だったりしますが、本機の液晶はドット表示です。自在な表示が可能なので、設定画面なども見やすいです。説明書を見なくても設定できるほどでした。
リチウムイオン電池で超高速充電
本機の特徴は、丸型ヘッドだけではありません。バッテリーに充電式のリチウムイオン電池を採用することで、高速なチャージ時間を実現しています。
多くのクリップオンストロボでは、単3電池を採用していますが、フル出力で発光するとそれなりの時間がかかってしまいます。待ち時間ができてしまうので、撮影リズムが乱れたり、撮影に時間がかかる原因にもなります。それだけでなく、電池が減るとさらに遅くなっていきます。
V1ではリチウムイオン電池を採用することで、フル発光でも約1.5秒のチャージが可能です。Godoxでは下位モデルとしてV860 IIとV350を用意していますが、どちらも高速チャージが持ち味となっています。
バッテリーは専用充電器に指して、USB Type-Cケーブルを接続するかたちです。上位モデルのAD200では充電器が大きかったりしますが、非常にコンパクトなのも良いところ。一緒に持ち運んでも邪魔になりません。
1つ残念だったのは、USB PDには対応していないことです。Type-C端子はスマートフォンなどで急速充電に対応していますが、本機では対応していない模様。PD対応の充電器からの充電も行えないので、スマホ充電器と共用ができず、付属のものや、急速非対応の充電器を別に用意する必要があります(5V/2A充電器では大丈夫でした)。
なお、1回の充電で480回の発光が可能です(メーカー公称値)。一般的なものと比べて多い水準なので、個人的には今のところバッテリー切れになる感覚はありません。仕事で外に持ち出しても半分以上残っています。とはいえ切れたらすぐに充電できません。予備バッテリーは6,000円ほどしますから、ここは安価なエネループを使える電池モデルと一長一短だと感じました。
モデリングランプを搭載
個人的に気に入ったポイントに、モデリングランプの搭載があります。丸型ヘッドの下部にオレンジ色のLEDが搭載されていて、ここが発光します。
明るさは10段階で調整可能です。直視できないほど明るいのですが、欲をいうならもう少し明るいと嬉しいところ。そのまま被写体に当てると問題ない水準なのですが、アンブレラと組み合わせて使うとなると、やや物足りなく思います。
モデリングランプがあると、完成イメージが掴みやすくなるので便利です。ストロボは瞬間光なので撮影するまで結果がわからないものですが、定常光のモデリングランプがあると、撮影前でもある程度のイメージが掴めるのです。
シーリングライトや自然光などの影響を防ぐために、部屋を暗くする必要がありますが、やはりモデリングがあると便利。明るい場所であっても、アンブレラと組み合わせると被写体が暗くなりピントが合いにくくなりますので、そういった場合にもモデリングは役立ちます。
ワイヤレストリガー「X1T」
今回はカメラと離れた場所から発光させたいので、ワイヤレストリガー「X1T」を合わせて購入しました。通常価格は5,700円ですが、こちらもセールにて約3,700円で購入できました。
X1Tを使うと同時に3台まで発光できるので多灯ライティングも可能です。明るさのコントロールもできるので、カメラで撮影結果を確認しながら明るさの微調整が行なえます。
X1TはGodoxでは下位モデルとなり、上位モデルとして「Xpro」、後継モデルとして「X2T」が用意されています。大きな違いは、画面の大きさや細かさによるコントロールのしやすさ。そして、干渉を防止するためのチャンネル設定数の多さです。
とはいえ、シンプルに使うだけであれば安いX1Tで十分だと思いました。ディスプレイにバックライトもついていますし、ストロボの明るさ変更も、GRボタンを押して、右のダイヤルで数値変更し、CH/OKボタンを押すのみです。
多灯になると操作が面倒かもしれませんが、1-2台程度なら、個人的には「上位モデルでなくても良いかな」という気がします。上面にはテスト発光ボタンも備えていて、機能的には最小限十分です。
一つ注意いただきたいのが、ホットシュー部の仕様です。Godox製品で共通仕様のようですが、ソニー用はプラスチックになっています。負荷のかかる部分なので、割れそうな不安はあります。
キヤノンやニコン用などは金属製のため、V1についてはキヤノン用を購入しました。Godoxの良いところとして、カメラ側の子機さえ対応モデルにすればTTL調光も使えます。ストロボ側の値段は高いので耐久性を考えると、ソニー用で揃える必要はなかったりします(カメラの上に直接装着する場合は除きますが)。
普通のストロボとの違いはある?
これまでは、安くて使えると評判のYOUNGNUO(ヨンヌオ)「YN560-III」を使用していました。価格は約8,000円と手頃なので、初心者にもおすすめです。
とはいえ、Godox「V1」と比べるとやはりV1のほうが上。 YN560-IIIでも十分すぎるほどでしたが、チャージ時間の早さや丸形ヘッドによる光の質など、価格なりの違いはあるように思います。
YONGNUO「YN560-III」から乗り換えた
YN560-IIIは、ヘッドが四角い、一般的なクリップオンストロボです。TTLの自動調光には対応していませんが、オフカメラライティングではマニュアルで合わせるので、必要十分。現在では後継機種として「YN560-IV」が販売されています。
カメラの上に取り付ける子機「RF-603C」は別売ですが、こちらも約4,000円と安価。現行モデル(RF-603CII)はアップグレードされてテスト発光にも対応したりしていますが、筆者の場合は改造することでテスト発光対応にして使っていました。
YN560-IIIの明るさはガイドナンバー58で、ズームは24-105mmをカバーしています。電源は単3電池4本。チャージ時間はフル発光の場合は3秒と少し長めではありますが、価格を考えると十分すぎる性能。大手カメラメーカー純正と比較すると1/5程度というコスパの良さです。
光の広がり方を比較
では、YN560-IIIと比較して丸型ヘッドの効果をみていきましょう。どちらもスタンドに固定し、アンブレラに向けて照射してみました。
アンブレラとの距離は固定ですが、V1は最広角が28mmなので、YN560-IIIも合わせて28mmに設定しています。また明るさが若干異なるので、各モデルで若干調整しています。下記画像がその結果です。
1つめがV1で、2つめがYN560-IIIです。YN560-IIIだと全体に広がっておらず、細長く広がっていることがわかります。やはりV1は丸形ヘッドにすることで、光を自然に広げられることがわかります。
とはいえV1は本体の高さもあり、アンブレラの中心からやや上方に照射してしまっています。そのせいでアンブレラの下の方まで光が広がっていません。固定方法を見直して、より中心に照射できるようになれば、より性能が引き出せるのだと思いました。
色温度と光質を比較
次に色と光の質についても比較していきます。明るさは2枚で同じになるように調整し、ホワイトバランスは5000Kにして撮影しています。
こちらも1つめがV1で、2つめがYN560-IIIです。先ほどのアンブレラの比較でも分かる通り、V1のほうが光がよく回っており、影が柔らかいことがわかります。
一方で、色に関してはどちらもニュートラルではありません。V1は緑に傾いており、特に人物撮影では補正が必須です。そしてYN560-IIIは青っぽく色温度が高めで、どちらもホワイトバランスや、グリーン/マゼンタといった色かぶりの補正は必須です。とはいえ、しっかりと色を補正してあげると、どちらもほとんど同じに揃えることができました。
まとめ
結果的には、買い替えて満足しています。丸形ヘッドによる光の広がりはもちろん、チャージの早さや操作性など、コストパフォーマンスが高いです。そしてモデリングランプを搭載していたり、通常のクリップオンストロボにはない特徴も魅力的だと感じました。
ブログの物撮りを強化したい方や趣味のものをきれいに残したい方など、特におすすめです。たとえ安いカメラであっても、ライティングさえしっかりすれば、十分きれいな写真が撮れますので、ぜひ検討してみてください。