Anker「Soundcore Libery 2」レビュー。低音が響く完全ワイヤレスイヤホン

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モバイルバッテリーやUSB充電器で知られるAnker。同社はオーディオブランドとして「Soundcore」というブランドを展開している。

そのSoundcoreから発売されている完全ワイヤレスイヤホン「Soundcore Liberty 2」は、税込みで9,990円と、有名メーカーの中では手の出しやすいモデルだ。

Liberty 2シリーズは「Liberty Air 2」「Liberty 2」「Liberty 2 Pro」の3モデルがあり、今回レビューするLiberty 2はミドルレンジのモデル。個人的な印象では、コスパが高いと評判のLiberty 2 Airと、最上位モデルのLiberty 2 Proの間に位置する、やや影が薄い印象の完全ワイヤレスイヤホンだと思う。

Liberty 2 Airは7,999円(税込)で購入できるため、Liberty 2との価格差は約2,000円。はじめに書いてしまうと、あくまで個人的な感想ではあるが、この価格差であればLiberty 2を選ぶべき。Liberty 2 Proは試したことはないが、ハイブリッド式が苦手な筆者としては、Liberty 2を推したい。

“aptX対応”など進化した第2世代モデル

まずはLiberty 2のスペックから見ていこう。Liberty 2シリーズは、同社が以前に展開していた「Zolo Liberty」などに続く第2世代。第2世代での大きな特徴として、通話マイク用のノイズキャンセリング機能「cVc 8.0」、USB Type-C端子の搭載、アプリでパーソナライズができるイコライザー機能「HearID」の搭載を挙げている。

また、従来のモデルでは対応していなかった「Qualcomm aptX」コーデックに対応。個人的にはAndroidユーザーなので、より高音質低遅延のaptXが使えるのは嬉しい進化点だ。cVc 8.0もQualcommの技術なので、チップは明かされていないものの、QCC3020あたりを搭載しているのではないかと思う。

なお、スマートフォンとのペアリング時にはLとRをそれぞれ別で登録する。QCC3020では左右それぞれでペアリングを行い、バッテリー残量に応じて親機を切り替える動作をするので、このあたりもQCC3020を搭載しているのではないかと思う理由だったりする。

Liberty 2のサウンド面については、10mmのダイヤモンドコーティングドライバーを搭載する。10mmというと完全ワイヤレスイヤホンでは大きめのサイズ。下位モデルでのLiberty Air 2は6mmのダイヤモンドコーティングドライバーなので、低音再生ではLiberty 2のほうが有利だ。

バッテリーについては、イヤホン本体の単体で8時間、ケースを組み合わせることで最大32時間の音楽再生が行える。10分間の充電で約2時間分の急速充電が行えるため、充電を忘れてしまったときも安心。一般的にaptX接続はバッテリーを消費するため、ここからやや時間が短くなるので注意したい。

そのほか、IPX5の防水機能を備える(※IPX5は「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない」とのこと)。水洗いはできないものの、傘をさしながらであれば、雨の中でも安心して使用できる。

チープさのない外観。しっかりと固定する装着感も魅力

では実機を試していこう。本体の外観をみていくと、プラスチックのケースは完全ワイヤレスイヤホンとしてはやや大きめながらも、丸いので握ると手に馴染む。特に感動したのがスライド式のケース開閉で、なめらかに動くので何度も開けたり閉じたりしたくなる。材質はやや硬質のプラスチックで安っぽさもなく、傷も目立ちにくく付きにくそうだ。

ケースを開けると、イヤホン本体がマグネットで固定されている。かなり内部には空間があるので、別メーカーのイヤーピースを装着しても問題なく収めることが可能。標準のイヤーピースはオーソドックスなものなので、遮音性の高いものや、音にこだわったものにも変えられるのは嬉しい。余談だが、イヤホン自体の軸径も通常の有線イヤホンと同じようなサイズなので、汎用性は高い。

個人的に気になったのは、イヤホン本体はかなり大型で、装着するとかなり飛び出してしまうこと。とはいえ、「イヤホンを⽿に挿⼊し少しひねるだけでしっかりと固定される」というGripFitテクノロジーの効果なのか、耳から取れる気配はなく、安定して装着できる。Liberty Air 2は “耳に乗せている感” がありやや不安を感じたが、Liberty 2は “固定されている感” があるので安心感がある。

低音再生の余裕が魅力。イヤーピース交換もポイント

音質については、10mmドライバーの影響もあり、低音豊かに響いてくれる。下位モデルのLibery Air 2と比較すると全体的に音に余裕があり、低音だけでなく中高音に関しても好印象。音場もそこそこ広く、低音重視ながらも、全体的にバランスの整ったサウンドだと感じた。

またイヤーピースを交換できると先述したが、個人的には手持ちのものを試した結果、FAudioの「FA Vocal」が相性良く感じた。ボーカル帯域がよく聴こえるように中高域を向上させるというもので、低音中心のLibery 2と合わせるとサウンドのバランスが良くなる。好みの問題もあると思うが、個人的には中高域がクリアになり、全体的な見通しが向上したので、デフォルトのものから変えてみる価値はあるのではと感じた。

FA Vocalを装着した様子

一方で気になってしまう点もあった。Bluetoothイヤホン全般でホワイトノイズはつきものではあるが、本機のホワイトノイズは比較的大きめ。電車の中だと気にならない水準ではあるが、家で静かに音楽を聴くような場合は別の機種を選んだほうがいいと思う。

ホワイトノイズについてはレビューを見ると個体差はありそうだが、Libery Air 2に関しても同じくらいなので、不良品にあたってしまったということはなさそう。特にQCC3020搭載機では他メーカーでもノイズの多い製品は多く、また完全ワイヤレスイヤホンでは消費電力削減のために能率の良いドライバーユニットを使うことが多いので、全体的にホワイトバランスは多めではあるのだが…。

そして最後に、第2世代の特徴であるイコライザー機能「HearID」に触れておきたい。この機能は、専用アプリを使用することで、個人に合わせたイコライザー設定を作成してくれるというもの。

実際に作ってみたところ、トーン信号が流れて聴こえたらボタンを押すという、まさに聴力検査のようなかたちだった。測定は片耳ずつ行われ、両耳合わせても2-3分程度で完了する。

イコライザー結果は高音域のみやや持ち上がるような形状となったが、オンオフで聴き比べてもあまり違いは感じられず、個人的にはおまけ程度の機能だと思った。このあたりは人によって差が出てくるだろうし、オンにしても音に悪影響は感じられなかったので、自然な範囲で調整しているのかもしれない。

全体的にバランス良くまとまった良モデル

Libery 2を入手してから半年以上使用しているのだが、今のところ特に不満もなく使っている。Libery Air 2も持っているが、ふだん使用するのはほとんどLibery 2。それだけLibery 2のほうが音が良く、しっかりと固定できる装着感には安心感がある。

AndroidユーザーにとってはUSB Type-Cなのも嬉しいポイント

これまで触れなかったが、音量調節などのスイッチが物理ボタンというのも個人的には嬉しい。Libery Air 2のようなタッチセンサーは軽く操作できるのが魅力的だが、耳から外すときに誤操作することが多く、気がついたら音量が変わっていることもあるのだ。

10mmのドライバーユニットを搭載するモデルは、高級モデルを除くとあまり多くはないので、低音重視する方にも良い選択肢になるかもしれない。また本体の質感や接続安定性も高く、総じてバランス良く仕上がっている。完全ワイヤレスイヤホンを購入する際には選択の1つに入れるのもアリだろう。