コンパクトで人気なソニーのミラーレス一眼「α7C」ですが、レンズキットに「FE 28-60mm F4-5.6 (SEL2860)」というレンズが付属しています。このレンズ、使わないときには沈胴式で収納できるなど、コンパクトでとても良いレンズなのですが、唯一の不満点が “寄れない” ということです。
このレンズの最短撮影距離は45cm(テレ端の60mm時)。近年のズームレンズはもっと寄れるものが多く、それらに慣れていると、「もっと寄って大きく撮りたいのに」ということが頻繁にあります。
その不満を解決するアイテムを見つけました。それが、「クローズアップレンズ」です。存在自体は知っていたのですが、個人的に使うのはこれが初。あまり使っている人は多くないような気はしますが、使ってみて非常に便利でした。
クローズアップレンズは、カメラの前面に装着するフィルターです。これを装着することで、手持ちのレンズが寄れるように変身します。メーカーとしては、主にケンコーとマルミの2社があり、今回はマルミのものを購入しました。フィルターサイズも、マルミはΦ40.5~77mmまで各種揃っています(FE 28-60はΦ40.5mmでした)。
マルミのクローズアップレンズは、「MC+1」「MC+2」「MC+3」「MC+4」の4種類が用意されています。それぞれの違いは、どのくらい寄れるかです。今回は、一番寄れるMC+4を選びました。なお、ケンコーのモデルも同様に、No.1~No.4まで用意されています。
なお、一番寄れるMC+4がよいかというと、そうではなく、用途に応じて選ぶ必要があります。というのも、クローズアップレンズを装着することで寄れるようになりますが、いっぽうで一定距離より遠くにピントが合わなくなります。MC+4になるほどピントの範囲が狭まっていくので、利便性でいうなら、MC+1のほうが使いやすいのです(参考までに、下記表は35mm判・レンズ焦点距離50mm時の撮影距離です)。
種類 | 被写体からレンズ先端までの距離(∞~0.5m) |
MC+1 | 33~100cm |
MC+2 | 50~25cm |
MC+3 | 33~20cm |
MC+4 | 25~17cm |
α7CのキットレンズであるFE 28-60mmにクローズアップレンズ(MC+4)を装着した場合、これまで60mm時に45cmまでしか寄れなかったのが、24cmまで寄れるようになりました。画質劣化についても、気になるほどの変化はなさそうで、十分に実用的です。
なお、装着時にピントの合う最長距離は40cmまででした。基本的には、「寄るときには付ける、離れて撮るときは外す」という使い方になりそうです。
寄りたいときに装着するのは、やや不便ではありますが、クローズアップレンズ自体はコンパクトなので、持ち運びは苦になりません。また価格も、今回の場合は800円ほどでしたので、新たにレンズを買うより、圧倒的に安上がりです。
今回試したFE 28-60mmはもちろん、様々なフィルターサイズが用意されているので、多くのレンズで利用できます。あと少しだけ寄れればという方や、マクロレンズほどではないけど寄って撮りたいという方、ぜひ試す価値のあるアイテムだと思います。