写真データの保存方法、どうすればいいか考察

スマホなどで気軽に写真が撮れるようになった昨今、これら「データ」について、どのように管理していますか?

デジタルにおけるデータ管理は永遠の課題。「バックアップは○個まで必要」「RAIDがいいと聞いたのだけど」「バックアップしてないけど大丈夫なのか…」といろいろな意見があると思います。

筆者もその一人です。バックアップが必要と思いながらも、面倒だからと中途半端な状態で放置していました。具体的にはバックアップはとっているものの、最後に更新したのがいつか、全く覚えていない状態です。

もちろん、普段からPCやガジェットなどはそれなりに調べているので、(専門家には遠く及ばないものの)ある程度はどのようにすればいいのかは思いつきます。そこで頭の整理も兼ねて、データの管理法について再考したいと思います。

バックアップと冗長性

メインのHDDが壊れた場合の対策として、万が一に備えるという方法には、2つの考え方があります。

1つは「バックアップ」で、もう1つが「冗長性」を高めることです。まずバックアップに関しては、同じ情報を別のHDDに保存しておくというもの。おそらく一番メジャーな方法かと思います。

次に冗長性を高めるには、RAIDなどを使用して、HDDの故障を予防することが有効です。複数のHDDを筐体におさめ、そのうちのいくらかが壊れてもデータは守られる、という仕組みです。

たとえばRAID5では3台以上のHDDを使用し、1台までの故障なら耐えられます。より耐性の高いRAID6では4台以上のHDDを使用することで、2台までなら壊れてもデータが守られます。

サーバーやデータセンターは基本的にRAIDで運用されていて、定期的に壊れたHDDやSSDを交換していくことで、データを守っています。このように大規模になりがちなのがRAIDですが、現在はHDDを差し込むだけでRAIDを作れるケースや、最初からRAIDが組まれた外付けHDDもあります。

ここで注意したいのが、RAID=バックアップではないということ。あくまで1つのHDDに保存する場合と同じように、追加でバックアップを設けることが理想です。

なぜ冗長性を高めたからといってバックアップが別途必要かというと、それは電気的、物理的に繋がっている1つの機器だからと考えられます。

たとえば地震などで落下した場合、まとめてデータが消える可能性がありますし、不具合でデータで全部のデータが飛ぶ可能性もあります。手動で間違えて消してしまうこともあるかもしれません。

そういった意味で考えると、バックアップも十全とはいえないかもしれません。災害で消失する可能性もあります。これを解決するために、自宅と職場にそれぞれHDDを保管する方も一定数いるようです

現在の環境の見直し

筆者の現在のデータ保存体制を下記にリスト化してみます。

自作パソコン内部

  • 256GB SSD(システム用)
  • 512GB SSD(ゲームなどソフト保存)
  • 2TB HDD(データ保存)

外部バックアップ

  • 640GB HDD
  • 4TB HDD
  • Google Photo
  • Amazon Prime Photo

基本的にはすべてのデータを合わせても2TBですべておさまってしまうのが現状です。

写真が趣味の方だと容量が大きくなりがちですが、写真以外の多くを捨てたこと、写真を整理したことで、なるべく容量を使わないように気をつけています。また、動画を撮らないことも大きいかもしれません。

外部バックアップでは、640GBと4TBのHDDがあります。バックアップは最近サボりがちで、ここ数ヶ月のデータはPCだけに入っているという危険な状態です。

先述のようにバックアップに関して多少の知識はあるつもりなので、情けない限りです。昔はこれ以外にも2TBを2つ持っており、定期的にバックアップをとっていましたが、4TB 1基にまとめてしまいました。

基本的にバックアップ作業は面倒だし、つい忘れてしまうものです。Mac搭載のTimeMachineみたく、全自動化させるのも良いと思っています。

とはいえ、あまり複雑にしたくないし、RAIDを使った大層なシステムは構築したくない。このような状況を改善すべく導入したのがクラウドです。

クラウドの導入をオススメしたい

筆者の場合はクラウドにアップロードすることで、逐次バックアップをとるように設定しました。PCに保存された瞬間からバックアップが開始され、すぐクラウド上に保存されます。

利用しているのは、Google PhotoとAmazon Prime Photoという2つのサービス。どちらも無料で保存ができるので、念のため両用しています。

クラウドのデータは自宅とは離れたデータセンタ上に保存されるので、火災などがあってもデータを守ることができます。データは消えたら買い戻すことはできません。そういった意味でも、バックアップを増やすことは安心にも繋がります。

Googleフォト

その名の通りGoogleのサービスです。写真は1,600万画素以下、動画はフルHD以下であれば容量無制限で保存ができます。

RAWや大きい写真の保存は無制限の対象ではないので注意が必要ですが、キヤノンのCR2やニコンのNEF、ソニーのARWといったフォーマットであれば自動的にjpgに変換してアップロードしてくれます。RAWのみでしか撮らない方も安心です。

RAWをそのまま保存したい場合は、後述するAmaonがおすすめです。Googleの場合は15GBの無料ストレージ分(Gmailなどと共有)から使われることになるので、RAWだとあまり保存できません。バックアップとしてあまり期待はできない。もし保存したい場合は、有料プランも用意されています。

2020年11月13日追記―無料で無制限にバックアップできる機能が、21年5月31日で終了すると発表がありました。6月からは、15GBの初期容量から引かれていくようです。とはいえそれより前に保存したデータは、引き続き無料で保存してくれます。写真がたくさんある方は、これより前にバックアップをとっておくと良いと思います。

Amazon Prime Photo

プライムフォトは、Amazonのプライム会員(有料会員)が無料で使うことのできるサービスです。会費は年間4980円(執筆時点)ではありますが、RAWを含めて無制限で保存可能。オンラインストレージとして考えても破格の値段です。

しかも、Prime VideoやPrime Musicといった他のサービスも使えてしまいます。唯一の欠点として、動画の保存は容量無制限の対象外という問題はありますが、写真特化であればオススメのサービスです。

写真バックアップの結論

筆者はこれらのクラウドサービスにデータを保存することで、自宅とそれ以外の保存場所でデータを分けています。さらにクラウドではプロがしっかりとデータを守ってくれるので、データ喪失のリスクも低いです。サービス終了の可能性もあるので手放しで任せることはできませんが、併用としてはかなり有効だと思います。

さらに、クラウドに保存したデータは、スマートフォンなど外出先からもアクセスできます。検索機能なども備えているので、PCに保存しているよりも利便性は高いです。

そんなわけで、メインのストレージにバックアップが1つ、あとはクラウドで2次バックアップをとっておけば、写真が消えるという最悪の結果に至るリスクをかなり下げられるのでは、と思います。

ほかにももっと良い方法はあるかと思いますが、気軽に写真データの安全性を高めるにはクラウドが有効という話でした。無料から始められますので、ぜひ試してみてはどうでしょうか。