緑茶が手軽に楽しめる、ポーレックスのお茶ミル・IIを手に入れた

お茶はティーバッグで手軽に飲めますが、こだわろうとすると、やはり茶葉から淹れたくなります。コーヒーも同様にインスタントやドリップパックがあるものの、こちらも豆から淹れたほうが、より香り高く楽しめます。

とは言うものの、茶葉や豆から用意するのは面倒なもの。お湯を注いで終わりというわけではなく、準備や後片付けが必要です。コーヒーであれば挽いて粉にする作業もあります。

筆者はいま、毎日緑茶を飲んでいます。コーヒーを飲んでいた時期もあり、その際は豆から淹れて楽しんでいました。性格的に凝り性なのか、緑茶も手軽なティーバッグで飲んでいたものの、やはり物足りなくなってきました。ティーバッグもいくつか種類がありますが、それでも茶葉単体と比べると選択肢は狭まります。

緑茶を茶葉から淹れるとなると、一般的なのは急須を使う方法です。しかし毎日手軽にとなると、後片付けが面倒になってきそうです。茶こしのいらない急須もありますが、ドリップコーヒーのように、コーヒーフィルターを捨てて終わりというわけではありません。

別の方法を調べてみると、KINTOから、ステック状の「LOOP TEA STRAINER」というアイテムを見つけました。こちらは中に茶葉をセットして、そのままお湯に漬けるだけです。似たもので言えば、100円均一などでも売っている「お茶パック」のほうが使い捨てで手軽かもしれません。

緑茶を粉にする「お茶ミル」

色々と検討しましたが、最終的に購入したのは、ポーレックスの「お茶ミル・Ⅱ」(税込7,260円/直販ストア)という製品です。同社の製品はコーヒーミルで人気があるので、そちらで知っている方が多い気がします。

お茶ミル・IIは、いわゆる “粉茶” を作るアイテム。実は以前、この前モデルである「お茶ミル」を持っていましたが、不満を感じで手放してしまいました。調べてみると「II」ではそこが解消されていそうなため、改めて購入に踏み切ったのでした。

その不満点とは、「思ったよりも粒の大きい粉しか作れない」ということ。市販されている粉茶と比べると荒く、沈殿してから飲むようなイメージです。沈殿したものを飲み込もうとすると、粉が喉に張り付くような感じがします。あまり積極的に粉まで飲もうとは思えません。

今回購入したお茶ミル・IIでは、「約18ミクロンまで細かく挽くことができます」とメーカーが謳っており、従来の3倍も細かくできるそうです。また、抹茶は約10ミクロンですが、30ミクロンを下回ると喉越しが良くなるとのことです。

試した結論としては、細かくなった効果も感じられ、前モデルより良くなった印象です。それでも喉にざらつくし、底に粉が沈殿するのですが…。ただ個人的には、やや安価で併売している前モデルではなく、高くても「II」を選ぶ価値は感じます(前モデルは税込4,290円/直販ストア)。これなら手放すことなく使えそうです。

金属製でしっかりとした造り

前置きが長くなりましたが、製品について見ていきましょう。外観はステンレス素材で作られており、安っぽい感じはありません。

蓋などは単純にはめ込むだけなのですが、精度高く作られているようで、隙間なさそうにピッタリとはまります。ちなみにハンドルは使わない際、取り外してから、シリコン製のホルダーに固定できるので、キャンプなどにも持っていけそうです。

茶葉はハンドルを外した状態で、一番上の蓋をあけてから投入します。鮮度を考えると茶葉はつど入れるほうがいいかもしれませんが、上述の通り密閉性が悪くなさそうなので、気にせず多めに入れています。今のところ酸化を感じることはなく、また毎回入れる必要がないので手軽だったりします。

そして茶葉を粉にするうえでキモといえるのが、セラミックで作られたという「臼歯」の部分です。「茶葉を細かく挽く直径約30センチの日本古来の石臼を、(中略)コンパクトな刃に凝縮」したとのことで、細かい模様が多数ついており、この部分ですり潰すようにして粉にします。

基本的には一番細かい状態で使うとは思いますが、好みに応じて細かさを調節する機能も搭載します。また刃は取り外して洗うことができ、金属ではないセラミック素材のため、錆びる心配もありません。

実はコスパ的なメリットも

今回は新しいお茶ミルに合わせて、京都の老舗店、一保堂茶舗の「日月」を選んでみました。程よい苦味と甘みがあり、優しい口当たりで気軽に飲みやすい銘柄です。

個人的にお茶ミルを推したい理由として、「1杯あたりのコストの安さ」もあります。上述の日月は80gで税込1080円となり、急須の場合は1回10gを使うため、1杯あたり108円のコストがかかります。

なお説明書には、次のように記載されています。

ハンドル60回転で約1グラムの茶葉を挽くことができます。約1グラムの茶葉で湯呑のみ1杯分(約100cc)のお茶をいれることができます。

お茶ミル・IIの説明書

実際に計測したところ、10回転あたり約0.3gでしたので、60回転では約1.8gでした。このあたりは茶葉と細かさの設定にもよるものと思います。また、1杯あたり1gを使うとして計算すると、80gでは80杯分となり、1杯あたりのコストは13.5円です。

ちなみに、ポーレックスの公式サイトでは「湯を注いで抽出して飲む場合と比べて約1/3の量で済み経済的です」と説明していますが、やや説明書とは数字が噛み合わない気もします。

お茶ミルを使うことで少ない茶葉でも十分に淹れられるのは、茶葉を細かくすることで表面積が増え、抽出効率が向上するためと考えられます。一方で、そのままの茶葉と比べると、粉にすると少ない茶葉から多くの成分を出し切るようなかたちになるため、急須で淹れるのとは味が違ったりはします。かといって、コーヒーと違って雑味まで抽出されて味が落ちる、ということはないので、このあたりは好みかもしれません。

また、実際に飲むかは人によるかもしれませんが、お茶ミルで緑茶を粉にすることで、茶葉全体を摂り入れることもできます。食物繊維やビタミンなどもより多く接種できるため、「残さず摂り入れたい」という方にもおすすめです。

茶葉を細かくしたいなら「II」がおすすめ

お茶ミルには類似の製品が多くあり、インターネットで調べてみると、いくつもの製品がヒットします。その中で個人的には、やや高いですが、今回の「お茶ミル・II」を推したいです。

上の方でも書いた通り、前モデルの「お茶ミル」を前に持っていましたものの、細かく挽くことができずに手放しました。お湯を入れてしばらくすると緑茶の粉が沈殿するのですが、飲み終わりに近づいた際、粉が喉に入るとざらざらと張り付くような感じになるのです。より細かく挽けるという「II」では、このあたりがかなり改善されました(もちろん人によっては気になるとは思います)。

実際に試していないので推測になりますが、多くのお茶ミルは1000円台から4000円台くらいで買えることを考えると、おそらく性能的には、4000円くらいの「お茶ミル」と同じくらいでしょう。電動式のモデルもあってこちらの性能も定かではないのですが、手回し式のモデルであれば、最初から細かさが保証されている「お茶ミル・II」を買えばよかったというのが実感です。