手軽にトレーニング、小さいのに高負荷な“パワーボール”が楽しい

パワーボール

パワーボールと呼ばれるトレーニング器具を買ってみました。といっても本格的な筋トレ用という感じよりも、楽しみつつもちょっとした手首の運動になる、そんなイメージのアイテムです。

悩んだ末に選んだのが、RPM Sportsというブランドの「NSD パワーボール 280Hz Autostart Classic」というモデル。ポリカーボネート製の本体は作りもよく、またクリアで中が見えるのも心をくすぐられます。

パワーボールというのは、ジャイロ効果を活用することで、主に手首周りを鍛えられるアイテムです。ジャイロ効果は地球ゴマなどで聞いたことある方もいるかもしれませんが、自転している物体がその位置を維持しようとする現象とのこと。自転車が簡単に倒れないのも、このジャイロ効果によるものです。

ちなみにパワーボールという呼び方はRPM Sportsの商標のため、○○スピナーやスナップボールなど呼んでいるメーカーもあるようです。一方でパワーボールという名前が一般化しているようで、Amazonでは他のメーカーでも普通に使っていたりします。というわけで、他よりも値段が高めなのですが、せっかくならと本家のRPM Sports製を選んでみました。

パワーボールを始動するには、最初にある程度回転させてあげる必要があります。安いモデルでは回転するボールの周りにヒモを巻き、勢いよく引っ張るのですが、今回はより手軽なオートスタートモデルを選びました。

手に持ったパワーボール

オートスタートモデルでは、ボール部分にゼンマイばねが内蔵されており、矢印の向きに回転させて離すと、勢いよく回し始められます。巻いている途中で手を離すとその時点で回転が始まってしまうのですが、十分な回転数にするためには結構力がいるので、力の弱い方はヒモ式のほうが楽かもしれません。

個人的にはヒモが不要だと手軽に回せるので、PC作業している際、思い立ったら気分転換で少し回したりしています。ヒモだとセッティングがおっくうになって開始までのハードルが高くなるので、オートスタートを買って良かったなと。ヒモ式よりも値段は1.5倍くらいになるのですが、価格分の価値はあると感じています。

最初に回転させて始動させたら、あとはタイミングよく手首を回していくのみ。なんとも不思議な感覚なのですが、手首の回転だけで中のボールの回転数が、ギュイーンと上がっていきます。トレーニング器具ではあるものの、単純におもちゃとしても楽しく、つい長時間回したくなってしまいます。

パワーボールで鍛えられるのは、握力と前腕あたりの筋肉です。トレーニングにあたって衝撃もかからない(ノン・インパクト)ことから、関節にも優しいのは嬉しいポイント。腱鞘炎などの神経障害を防ぐ効果もあるようなので、PC作業の多い筆者としては、定期的に続けていきたいところです。

回転数のわかるメーター付きのモデルは高くて諦めたのですが、回転数で音の高さが変わってくれるので、今のところ困っていません。音は回転数を上げるとそこそこ音も大きくはなりますが、人の声よりは小さいので、特に迷惑にはならなそうです。

手に持ったパワーボール

メーカーによると、回転数が18000rpmまで上がると、約16kgの負荷になるそうです。わずか260gの本体でここまでの負荷になるのは驚きですが、実際に使ってみると、調子に乗って回転数を高くすると、数分で腕がパンパンになるくらいの効果はがある印象。ゆっくり回転させると負荷も下がっていくので、長時間楽しみたいときは負荷を下げたりしています。

肝心の効果ですが、使ったとは手のひらや手首がジワーッと暖かくなり、血行が良くなっていることが実感できます。一方で個人差もあるとは思いますが、筆者的には、トレーニング効果としては微妙でした。初めはすぐ筋肉痛になっていたのですが、数日もたつと慣れてしまい、負荷的には物足りなく感じます。

先ほど回転数を上げると負荷が上がると紹介しましたが、負荷を上げるためには手首の回転を速くする必要があり、そうするとかなり高速に動かさなければなりません。高速に動かすと、どちらかというと有酸素運動的な感じになってしまい、肝心の手首の負荷については微妙なところです。

そういった人に向けてか、実はパワーボールには、より強い負荷の上位モデルも用意されています。全体が金属でできていて、40Kgくらいの負荷が可能なようです。これなら無理に回転数を上げずとも、負荷を高められそうです。しばらく現状のモデルを試してみますが、気が向いたらこちらにも手を出そうと考えています。