Ankerのオーディオブランド Soundcoreから、初のオーディオグラス「Soundcore Frames」が登場しました。PCメガネタイプ「Cafe」とサングラスタイプ「Landmark」の2種類が用意されています。
今回ご紹介するのは、偏光レンズを採用するLandmark。さっそく使ってみましたので、簡単にチェックしていきます。
少しずつ拡大中のオーディオグラス
Landmarkのレンズは、道路や水面などの反射を押さえる偏光に加えて、紫外線のA/B波を最大99%カットしてくれるようです。一方のCafeについては、ブルーライトを20%カットするレンズを採用しています。
オーディオグラスは少しずつ製品が増えている感がありますが、まだ発展途中のジャンルといってもいいでしょう。筆者これまで手を出したことはなく、今回のモデルが初めてなのですが、思った以上に使えそうというのが印象です。
このジャンルで初めて本格的に投入された製品は、2019年にアメリカのボーズから登場した「Frames」だと思います。その後、ファーウェイやXiaomiなど中国勢を中心に製品が増えてきています。最近だと、メガネチェーンのOWNDAYSとファーウェイのコラボにより、度付きにできるモデル「HUAWEI Eyewear」も登場しました。
基本的にはテンプル(つる)部分にスピーカーや基板、バッテリーなどを詰め込むため、初期はこの部分が太く目立つデザインでした。近年ではテンプル部分がスリムに変わってきていて、今回のSoundcore Framesについても「普通のメガネ」と言えそうなデザインに感じます。
なお、Soundcore Framesもテンプルの部分に全てのパーツが詰まっています。テンプル部分とレンズ部分は抜き差しで簡単に分離できるため、現状は販売されていませんが、交換用のレンズも後から登場してくるのでしょうか。またIPX4の生活防水に対応しているため、汗をかくくらいは大丈夫なようです。
デュアルスピーカーを搭載
スペック的には、片側あたり2基のスピーカーを搭載していて、耳をふさがずにサウンドを楽しめます。単に鳴らすだけだと「耳の近くで鳴っている」という感じに聞こえてしまいますが、カスタムオーディオプロセッサーの処理により、イヤホンやヘッドホンのように定位のある再生を実現しているようです。
テンプルの側面にあるロゴをタッチすることで通話応答、スワイプすることで曲送り/戻しなどの操作が可能です。Soundcoreアプリから操作のカスタマイズも行なえます。Bluetoothのバージョンは5.2、コーデックはAACとSBCに対応します。
連続再生時間は最大5.5時間です。約1時間でフル充電できるほか、10分の充電で約1.5時間使える短時間充電にも対応。充電は専用方式で、マグネットで着脱できるケーブルが付属しています。
思ったよりしっかりと聴ける
iPhoneに接続して再生しようとしましたが、まずペアリングの段階で四苦八苦してしました。
充電ケーブルを接続して1分間待ってから外すとペアリングモードに入れるようですが、何も起きません。どうやら充電が足りていなかったようで、もし購入後にうまく行かない場合は、一旦しばらく充電すると上手くいくかもしれません。
気を取り直して、ペアリングしてからSpotifyから音楽を再生してみました。サウンドは想像以上に臨場感があり、どこからどの楽器が鳴っているかという定位感もあります。解像度も不足していることはなく、
低音が少ないことで音が軽すぎることもありません。スピーカーのユニットは口径が小さいと低音が出づらくなりますが、本機ではテンプルの部分に収まるサイズの小型ユニットにもかかわらず、ベースの音もしっかりと描き出します。
耳の近くでスピーカーを鳴らしているということもあり、やはり音漏れは少し気になりました。静かな部屋では、最低音量であっても50cmくらい離れていても、知っている曲であれば何を聴いているかわかってしまうほどです。
とはいえ、最低音量でも個人的にBGMとしてなら十分レベル。一方でイヤホンやヘッドホンで聴くくらいの音量まで上げてしまうと、数メートル離れていても曲がわかるくらいなので、音漏れを気にする場合では厳しそうです。
Soundcoreアプリを利用すると、先述の通り各種操作のカスタマイズが行なえます。さらにイコライザーなども調整できるため、自分好みのサウンドに調整可能です。
アプリの中には、コンサートのようなサラウンド効果を提供するという「オープンサラウンド」という機能も用意されています。実際に使ってみたところ、たしかに音の空間が広がる感じで、より開放感が味わえました。効果は5段階で調整できるのですが、曲によっては違和感があったりするため、1〜2で少し効かせるくらいが個人的には気に入りました。
まとめ
オーディオグラスはややニッチな製品ですが、実際に試してみると、耳をふさがないということもあり快適。音漏れの問題はありますが、音量を絞ってあげれば、BGM程度なら気にならないという実感でした。
もっとも、今回のLandmarkはサングラスなので屋内では使いづらいモデルです。室内で使うのであれば、ブルーライトカットのCafeを選ぶべきでしょう。
偏光レンズということもあり、筆者は自転車で使おうと考えています。自転車中にイヤホンを使うのは違反ですが、骨伝導ヘッドホンなど耳をふさがない形なら問題ないようです。音楽というよりはナビの音声を再生する目的なので、音漏れも気にならないと思います。
ボーズやファーウェイなどの競合が3万円程度するなか、Soundcore Framesは2万円で購入できます。Anker製品はセールを狙えばさらに安く買えたりもするので、もしオーディオグラスに興味があるけど値段で躊躇している方は、特に注目のモデルといえそうです。