カメラ用のSDカード、Nextorageの「RIGID」なら安心して使えそう

カメラの撮影データを記録するSDカード、今は安いモデルでも十分な性能になってきて、あまりこだわらないユーザーも増えているように思います。基本的には高いモデルは伝送速度が高速になるだけなので、正直なところ有名メーカーであれば安いモデルでも十分だったりします。

今回新しく購入したのが、Nextorage(ネクストレージ)というブランドの「RIGID仕様」というモデル。容量は64GBです。32GBだとあまり余裕がないため(主に動画撮影のせい)、こちらを新たなメインカードとして使う予定です。

選ぶなら「安心して使える」SDカード

基本的なスペックは、読み出し速度が97MB/秒、書き込み速度が77MB/秒。UHSスピードクラス3(U3)、ビデオスピードクラス30 (V30)に対応しているため、4K動画の撮影にも対応します。ちなみに、128GB以上のモデルは書き込み速度が91MB/秒なので、64GBモデルは少しだけ遅いようです。

今回、NextorageのRIGID仕様を選んだ理由は、「安心して使えそう」だから。これは大切な写真を記録する上で、かなり重要なポイントです。SDカードはどれも同じだと思っていましたが、このカードは他にない「超タフ」な設計なので、物理的に壊れるということはなさそうです。

Nextorageというブランドに馴染みのない方も多いと思いますが、実はソニーから独立して設立された会社。信頼性についてもかなり高いといえます。安さで無名ブランドを購入して、すぐ壊れたという話も聞きますが、そういったことは少ないでしょう。

実際、カードのスピードもテストしてみましたが、読み出しはほぼスペック通り、書き込みについてはスペックの77MB/秒を超えているなど、数値的にも信頼できそうです。ちなみに、これまで使っていたSandiskのハイエンドモデル「Extreme Pro(32GB)」と比べてみても、ほぼ同じくらいの値でした。

SDカードの計測結果

ポイントは「リブ」のない設計

タフネス仕様について少し掘り下げてみましょう。具体的には、カードをカメラに挿入するときの力や、落下時の衝撃を考えた設計になっています。曲げられたときの強度もSD規格に対して18倍の180N(ニュートン)。実際に手で持ってみても、硬い印象で、軽く力を入れてみても全く歪まないレベルです。

5mからの落下テストにもクリアしているため、普通に使う高さなら落としても安心。IP68の防水・防塵となっており、常温の水道水であれば、水深5mに72時間以上水没させても内部浸水しないようです(噂によると、洗濯機で洗っても壊れないとのこと。まさに安心です)。

ほかにも、-25~85度の耐温度、耐X線、耐UV、耐静電、耐磁性など、思いつく限りの耐性を備えています。メーカーでも「とにかく壊れないカード」と謳っているなど、スペックだけでも安心して使えそうなカードに仕上がっています。

SDカード

このSDカードには、もうひとつの見逃せないポイントがあります。それは、通常のSDカードには当たり前にある「コネクタリブ」「ライトプロテクトスイッチ」がないという点。これら壊れやすいパーツのない設計にすることで、そもそも壊れないようになっているわけです。

また、一般的なSDカードは製造するとき、中の基板を2枚のプラスチックで挟み、超音波溶着でくっつけるような手順をとります。しかし、これだとつなぎ目があるため、どうしても強度が下がってしまうのです。NextorageのRIGID仕様では、プラスチック部分を一体成型することでより強度を高めています。これによるものか、手に持った瞬間に感じる硬さ、普通のSDカードよりも重みを感じます。

お気づきの方もいると思いますが、ソニーから発売されているSDカード「TOUGH(タフ)」(SF-Gシリーズ)と、ほぼ同じ設計です。公式ではアナウンスされていませんが、上述のようにNextorageはソニーの半導体部門から独立した経緯もあり、TOUGHシリーズの製造・開発も同社が担っていたのでしょう。

付け加えておくと、ソニーのTOUGHはより高速なUHS-IIという規格に対応しています。最大で読み書きともに300MB/秒近い速度が出せるのですが、これはUHS-IIに対応しているカメラとリーダーで使った場合のみ。UHS-IIは安いカメラでは対応しておらず、基本的には上位帯のカメラでなければ活かせません。

つまり、タフなSDカードを選ぶ場合、UHS-IIに対応していなければ価格の高いソニーではなく、UHS-IのNextorageを選んでも変わらない場合があるということ。それに筆者の感覚では、UHS-Iの速度でも困ることはありません。高速連写や4K動画の取り込みなどをしないユーザーであれば、実用性の面からもリーズナブルなNextorageで十分です。

ということで、筆者の場合はNextorageのRIGID仕様を購入して満足しています。実際にタフネス性能が発揮される場面というのはあまりない(起きてほしくない)ですが、何かあった際にデータが守られるというのは安心です。また堅牢性だけでなく、信頼のおけるメーカーということもポイントといえます。

SDカードは一見すると、どれも同じに見えてしまいます。つい安いものを購入しがちですが、最近のSDカードは一度購入するとあまり壊れないということもあり、せっかくならいいものを買っておくのもいいかもしれません。そういった際に、今回のNextorageのRIGID仕様は、ぜひ選択肢に入れたいモデルです。