Palitのグラボ「RTX 3060 Ti Dual OC」は高コスパ&十分使えてオススメ

グラフィックボード

グラフィックボードの値上がりが厳しい昨今、価格が落ちるまでには、まだしばらくかかると言われています。

そんな状況ですが、一念発起してグラフィックボードを買い替えてしまいました。選んだのは、Palitの「RTX 3060 Ti Dual OC 8GB」です。

購入時には下位ランクのRTX 3060と迷いましたが、結果的にRTX 3060 Tiを選んで良かったというのが感想です。それでは、外観や性能などを掘り下げつつ、本機の魅力をお伝えしていきましょう。

グラボ価格が高騰&品薄に

筆者はドスパラにて税込74,800円で購入しました。他メーカー製品8〜9万円のなか、頭ひとつ抜けて安いPalit製は、RTX 3060 Tiで最安のグラフィックボードです。

なお、価格が高いため“ご祝儀価格”ともいわれる発売時の値段は、6万円前後。つまり当初よりも高い金額で買ったわけですが、それでも在庫があるだけよく、また価格も少しは落ち着いてきた状況です。

この価格高騰はしばらく続くと言われており、2023年までは戻らないと伝えているメディアもあります。世界的な需要で半導体が不足していることと、マイニング需要がその原因です。

RTX 3060 Tiのパッケージ

なお、今回のRTX 3060 Ti Dual OCは、いわゆるLHR(ライトハッシュレート)版。ゲームには関係ないですが、マイニング時に性能が出ないように制限されています。現状販売されているRTX30シリーズはこのLHR版に置き換わっていて、マイニングには向かないため、在庫不足が解消されつつあるのです。逆に、LHR版ではない旧モデルの中古に人気が集まっています。

余談ですが、LHR版であっても、いずれマイニング時の性能制限が解除されてしまう可能性もあります。現状ではイーサリアムという暗号通貨の限定ですが70%まで性能発揮できるプログラムも出来ていて、このままでは突破されてしまいそうです。

RTX30シリーズのミドルモデル

RTX 3060 Tiに買い替えた理由は、4Kでゲームをしたかったということに尽きます。下位モデルのRTX 3060とも迷いましたが、やはり4Kで動かすとなると力不足です。

筆者がこれまで愛用していたのは、GTX 1660 Superです。非常にコスパの良いGPUではありましたが、フルHDでもゲームによっては重く、また4Kのために買い替えを検討してしまいました。

たとえばValheimは中設定に落とさないと動きが重く、その他の3Dゲームも最高設定は厳しい水準。またVRを動かすのも厳しく、Oculus Linkも快適に遊べません。せっかくなら、少しは良い画質でゲームをプレイしたいものです。

RTX 3060 Tiの正面

新しく買ったRTX 3060 Tiのスペックは、前シリーズ上位モデルであるRTX 2080と同じくらい。いっぽうRTX 3060は前シリーズでいうと、RTX 2070相当です。RTX 2080は中設定くらいであれば4Kでゲームできるくらいのモデルだったので、最高設定を狙わないのであれば、RTX 3060 Tiでも十分な性能を備えています。

本機のスペックは、ベースクロックが1410MHz、ブースト時の最大クロックが1695MHzです。メモリは8GBのGDDR6を搭載。出力端子として、HDMI2.1を1基、DisplayPort1.4aを3基備えています。

なお、RTX 3060は一部で評判が良くないですが、Battle Field 2042の推奨環境を満たしているなど、十分な性能は備えています。フルHDかつ高ヘルツを狙わないのであれば、そこまで悪いスペックでもありません。また、VRChatのユーザーには、メモリが12GBあるRTX 3060をの方が人気あるようです。

外観は思ったよりも良かった

では、外観についても触れていきましょう。

本機の外形寸法は247×120×40mmと、他社と比べるとコンパクトな作り。筆者の使っているNCASE M1は小型なPCケースですが、おかげで余裕をもって取り付けられます。補助電源が8ピン×1なので、ケーブルが1本で済むところもポイントです。

PCケースに取り付けたグラフィックボード

ファンの口径は9mmと小さめですが、うるさく感じることはなく、通常使用でも気になりません(筆者の環境では、むしろCPUクーラーのノイズのほうが大きいです)。

また、負荷が低いときはファンレスになる機能も備えているので、ブラウザ閲覧くらいではファンが回転せず、無音です。

RTX 3060 Tiの側面

実は、購入するまでデザインが好きになれませんでした。メーカーのCGでは安っぽく、無駄な装飾が多いと感じていたためです。

しかし、実際の製品ではそんなことはなく、チープな印象もあまり受けません。筆者のケースは側面がガラスではないので見えないのですが、見た目が悪くないのは、思わぬ朗報でした。

また、発光機能も搭載しており、側面の「Geforce RTX」ロゴとラインを点灯できます。色はフルカラーに対応していて、ソフトから発光パターンの設定も可能です。

地味に気に入ったのは、端子部の金属がシルバーではなく、やや黒く色がつけられていること。PCケースは黒いものが多いと思いますが、この色であれば見た目的にも馴染んでくれます。そして単純にかっこいいです。

とはいえ、気になるところもあります。本体のバックパネルは金属製が多いと思いますが、本気の場合はヘアラインを入れたプラスチックでした。

プラスチックでも放熱上問題ないのかもしれませんが、安いモデルでも金属の場合が多いので、なぜこの仕様にしたか疑問です。

RTX 3060 Tiのバックパネル

やはり4Kゲーミングはきれい

筆者がよくプレイする「Rainbow Six Siege」で、軽くベンチマークも取ってみました。CPUはCore i7 10700、メモリ容量は32GB(3200MHz)です。

結果としては、すべて最高設定にして、4Kでも平均90fpsでした。さらにDLSSをオンにすると、平均110fpsまで上がるので余裕も出てきます。

DLSSをつけた状態のベンチマーク結果
DLSSをつけた状態のベンチマーク結果

4Kの画質はすさまじく、壁の表面の質感や小物の作り込みなど、フルHDでは感じられなかったリアルさがあります。直接勝ちに影響する部分ではありませんが、筆者のようなライトゲーマーにとっては、せっかくなら良い画質でプレイしたいもの。慣れてしまうと、もうフルHDには戻れそうにありません。

安いけどしっかり使える

グラフィックボードが高騰しているなかの買い替えでしたが、結果的に満足しています。価格が下がるまで待ちたい気持ちもありましたが、後悔はしていません。

価格面からRTX 3060と迷いましたが、4Kでプレイしたい筆者にとって、RTX 3060 Tiで良かったと思います。本当はRTX 3070を買いたいところですが、さすがに10万円オーバーは手が出ませんでした。しかし結果的にはRTX 3060 Tiで十分でした。

また、値段の安さからPalit製のモデルを選びましたが、特筆して気になることはなく、十分に使えます。コスパの良いRTX 3060 Tiのグラボを探している方にとって、おすすめできるモデルです。