Anker「Nebula Capsule II」ミニレビュー。アルミ缶サイズの超人気プロジェクター

近ごろ、ポータブルプロジェクターが人気です。その中でも一番人気といえるの鉄板モデルが、Ankerの「Nebula Capsule II」。今回はこちらを簡単にレビューをしていきます。

すでに数カ月使っていますが、手軽なのに大画面だし画質も良い。購入してよかったです。気軽に自宅のエンターテイメントを強化したい方にとって、最適なモデルだと感じました。

プロジェクターというと、少し前までは “大きく重い” という製品がほとんど。中にはポータブルモデルもありましたが、明るさも控えめで、大画面を楽しむには力不足でした。

しかし、近年人気のポータブルプロジェクターは、そういったものとは全くの別物。小さくても十分な性能だし、バッテリー内蔵でどこでも映像を楽しめる。価格も性能を考えると、かなりお手頃になった感があります。

そんなモバイルプロジェクターで人気なのが、今回のNebula Capsule II。Android TV 9.0を搭載しているので、Wi-Fi接続だけすれば、NetflixやYouTube、Amazon Prime Videoなどを楽しめます。

アプリをインストールすることが可能なため、Hulu、U-NEXT、TVer、DAZN、ビジネスオンデマンドなど、各種人気サービスも利用可能です。

なお注意したいのは、Disney+やNetflixなどは、Google Playからインストールできないことです。Nebula Managerというアプリをインストールして、そのアプリから入れる仕様になっています。インストールしてしまえば動作など問題ないのですが、このあたりは少し分かりにくいと感じました。

本体はアルミ缶くらいのサイズで、使わないときは収納しておけますし、使うときにも気軽に設置できます。寸法的には直径約80mmで、高さは約150mm、重さは約740gです。

こういったプロジェクターは、少し昔までは、解像度の低いモデルが大半でした。解像度が低いと画像が荒くなったり、字幕の文字がつぶれて読みにくくなってしまいます。

本機はHD画質(1,280×720)なので、ふつうにコンテンツを楽しむぶんには、十分な水準です。もちろん、フルHDや4Kと比べると劣りますが、HD画質であれば、多くの方が不満を感じることなく利用できると思います。もっとも、このコンパクトサイズと価格を考えると、かなりハイスペックともいえます。

細かいことに触れておくと、表示素子は0.3インチのHD DLP。DLPタイプでは、カラーブレーキングという、色が別れて見えてしまうモデルもあるのですが、個人的には気になりませんでした。筆者はDLPでカラーブレーキングを感じやすいタイプなので、こちらは多くの人が気にならないでしょう。

ランプにはLEDが使用されていて、明るさは200ANSIルーメンです。ランプの交換は行なえませんが、LEDなので約30,000時間と長寿命。コンパクトなプロジェクターが活況なのは、このLEDの低価格・大光量化も、その一因にあるはずです。

200ANSIルーメンという明るさは、ポータブルでないホームプロジェクターに3,000ANSIルーメンのモデルが多いことを考えると、数字的には暗めに感じます。しかし、実際につかってみると、200ANSIルーメンでも十分な明るさ。昼間のリビングでは厳しいのですが、カーテンを閉めて電気を消せば、鮮やかな映像が楽しめます。

プロジェクターといえば、大画面が魅力です。本機は最大100インチに対応していて、3mの距離があれば投影できます。たとえば、6畳間が約3.52×2.6mなので、そのくらいの広さがあれば十分。もしくは2.5mくらいの距離があれば、テレビよりも圧倒的に大きい80インチの投影が行えるので、狭めの部屋でも大画面が可能です。

個人的に気に入ったのは、オートフォーカスでピントを合わせてくれる点と、垂直(上下)方向の台形補正を自動で行ってくれる点です。通常、プロジェクターは設置したあとに手動調整を行う必要があるのですが、Nebula Capsule IIでは、それらを自動で行ってくれます。水平の台形補正に対応していないのは注意点ですが、こちらは壁などの正面に本体を置いてあげれば問題ありません。

バッテリーもスピーカーも内蔵しているので、上述した自動調整機能と相まって、気軽に利用できます。

バッテリーだと約3時間の駆動が可能ですので、だいたいの映画は楽しめるはずです。スピーカーについても、Bluetoothスピーカーとして利用できるモードもあるように、この大きさのBluetoothスピーカーとして考えても十分な音質で、決しておまけではなく、しっかりと映像を楽しめるレベルを確保しています。

操作は本体の上にあるボタンから行えるのですが、別途リモコンも付属しています。Androidのデバイスであればキャストも行えるので、リモコンをあまり使用せず、Android側から再生指示を出して利用することも可能です。

筆者はふだん、頻繁にプロジェクターを使うことはないのですが、たまに大画面でみたいときに取り出し、壁に投影して楽しんでいます。このような使い方ができるのは、ポータブルプロジェクターの一番のメリットでしょう。

やはり大画面でみる映像は迫力があり、コンテンツ体験の質を高めてくれます。それに発光したものを見るテレビと違って、壁やスクリーンに反射したものを見るプロジェクターは、感じ方が全く違います。

そんなプロジェクターのメリットを、気軽に楽しめるのがNebula Capsule IIです。他社に類似したモデルもありますが、性能と作り込み、価格を考えると、右に並ぶものはないと思います。やはりポータブルプロジェクターで一番人気のモデルは、人気になるだけの理由があるのだと実感しました。