1,200円ではじめる「Oculus Link」。必要なものを紹介

スタンドアローン型のVRヘッドセット「Oculus Quest」。単体での使用も可能ですが、スマートフォン用のプロセッサーを搭載していることもあり、コンテンツの画質にはある程度の限界があります。

そこで、2020年5月現在はβ版ですが、「Oculus Link」という仕組みが用意されています。この機能を使用してPCに接続することで、本体では動作できないような高画質のコンテンツを楽しむことが可能です。

Oculus Linkに必要なものは、性能を満たしたPCと、PCと接続するケーブルのみ。PCの性能については公式サイトのサポートページにおいて下記のように説明されています。GPUは細かい相性があるようで、動作確認済みのリストが公式で紹介されているのでそちらをご確認いただければと思いますが、記載されていないGTX1660 SUPERでも動作しているので、リストになければ動作しないということはなさそうです。

コンポーネント 推奨スペック
プロセッサー Intel i5-4590 / AMD Ryzen 5 1500X以上
メモリ 8GB以上のRAM
オペレーティングシステム Windows 10

次にケーブルですが、Oculus QuestのUSB端子はType-C形状なので、片側がType-A、片側がType-Cのものを用意する必要があります。両側Type-Cでも問題ないのですが、デスクトップPCでType-C搭載のモデルは希少です。ゲーミングノートであれば搭載しているモデルも多いので、PCに応じてケーブルを選べばよいかと思います。

また、ケーブルは形状のほかに、「USB3」に対応する必要があると公式では案内されています。ご存知のとおり、USB3は従来のUSB2.0(480Mbps)に比べて6Gbpsと高速通信が可能な規格。Type-A形状であれば端子が青色になっているので見分けることが可能です。

純正からもケーブルが販売されていますが、こちらは約10,000円と高額です。長さが5mと長いことと、特殊な光ケーブルなので軽量というメリットがあるので、ボッタクリではないのですが、試しに使う程度であれば別の選択肢のほうが良いと思います。

Anker「PowerLine USB-C & USB-A 3.0 ケーブル」

別の選択肢として公式が推奨しているのは、Ankerの「PowerLine USB-C & USB-A 3.0 ケーブル」という製品で、約1,200円で購入できます。長さは6DoFでも最低限快適に使用できる3mです。人気なのか品切れが多いのが弱点ですが、その場合はRampowというブランドのケーブルがレビューで使えると評判なので、こちらを選択肢に入れても良いかもしれません。

このケーブルは端子形状がストレートなので、そのまま使用するとOculus Quest本体の端子に負荷がかかってしまいます。気になる場合はL字型の変換プラグが存在するので、これを組み合わせる方法も。

自分はPoyiccotというメーカーの変換プラグが2個入で629円(購入時)だったので、こちらを購入しましたが、問題なく動作しました。

使用した感想としては、Ankerのケーブルがやや重いため、ややフロントヘビーになってしまうというのがデメリットです。個人的にはL字変換を使わず、ケーブルに最初からついていたバンドでケーブルを固定、ケーブルの重さが正面にかからないようにする使い方が負担少なく感じました。これから新しく揃える方は、まずケーブルのみで購入し、不満があればL字変換を買う流れでも良いかもしれません。

なお、パブリックベータ版の本体ソフトウェアでは「Quest付属の充電用USB 2.0ケーブルでもLink を利用できるようになる」という話があるようです。正式リリースはこれからのようですが、付属ケーブルだとAnkerのケーブルより細く、長さも3m、最初からL字型なので快適に使用できそうです。

付属ケーブルでは、両側Type-CなのでType-Aに変換する必要がありますが、Ankerのケーブルを購入するよりも安く仕上がると思います。下記写真で太さを比較していますが、明らかにわかるほどの違いです。

Anker製ケーブル(左)とQuest付属充電ケーブル(右)の比較

PCとケーブルで接続できるようになれば、あとは「Oculus PC Software」をインストールするだけで準備が完了。セットアップに従っていけば、使用できるようになるはずです。

余談ですが、自分の場合はセットアップ時にケーブル接続がうまくできず、認識できないトラブルがありました。結果的には、別のUSBポートに接続することで問題なく動くように。デスクトップPCですが、前面のポートでは(USB3対応ですが)使用できず、背面のポートではあっさり接続ができたかたちです。

PCと接続するVRは、日頃からOculus Questのケーブルレスを体感していると、ケーブルが邪魔に感じますが、特に画質面では比較できないほどの差があります。Steamでは無料ゲームも多く用意されていますし、Oculus Storeにある「Oculusドリームデッキ」「Oculusファーストコンタクト」といった無料のチュートリアルコンテンツでも違いがわかるほどです。ケーブルは必要ですが、もし使用できる性能のPCを持っている方は、試してみると新たなVRの楽しみ方を見つけられるかもしれません。

9/19追記:Quest 2が発表されました

9/17に後継モデル「Oculus Quest 2」が発表されました。引き続きOculus Linkに対応しているので、PC接続のVRをQuest 2でも楽しむことが可能です。

なお、Quest 2の付属ケーブルは短いものに変更されてしまいました。Questの付属ケーブルは長さが3mありましたが、Quest 2では別売のケーブル(上記のAnkerや純正のLinkケーブルなど)を購入する必要がありそうです。

予約購入をする予定ですので、発売したら対応状況などお伝えできればと思います。

9/13追記:Quest 2版の記事を作成しました