NoctuaのCPUクーラー「NH-L9i」を購入しました。
NH-L9iは、オーストリアにあるメーカーのNoctuaが発売する高さ37mmの薄型PC向けCPUクーラーです。 結論から書くと、作りがよく、静かで、とても良いクーラー。ロープロCPUクーラーの定番と言われるのも納得でした。
95mm×95mmのサイズはRAMなど、CPU周りの部品と干渉しないように設計されており、さながら“四角い物体”といえるような形です。限られたスペースを目いっぱい使っている感じで期待ができますね。
なお、TDPは65Wまでなので、“K”モデルのCPUでは厳しそうです。ファンは直径92mmで高さ14mmの薄型ファンです。300rpm〜2500rpmで最大23.6dBAとのことですが、ケース内に余裕がある場合は、より厚みのあるファン「NF-A9」に交換することで、風量をアップでき、さらに静音性を追求できます。
では早速開封してみましょうか。
今回は秋葉原のオリオスペックさんにて、5,314円(税込)で購入しました。まず箱をあけると、本体のファンが正面に見えるほか、付属品が並んでいる様子が確認できます。
Noctuaの製品を購入するのは、はじめてですが、開封した瞬間からワクワクさせられる仕掛けは、かなり好印象です。 付属品は、「Low-Noise Adaptor」「NT-H1」「NM-IBT4 Mounting-Screw」そして、ファン交換用のネジ、説明書、バッジ(?)です。
NT-H1は、単体でも販売されているCPUグリス。価格は1,000円ほどのようで、日本ではマイナーですが、米アマゾンでは515件の評価で“4.7”と評判は良さそうです(2018.08.23現在)。なお1.4ml入りです。
Low-Noise Adaptorは、ファンの回転数を落として静音性を狙うアダプター。最大回転数を2500rpm/23.6dBAから1800rpm/14.8dBAまで下げることが可能です。
序盤にも書いたとおり四角く、小さいサイズ内で最大限大きくしたと言えるような見た目をしています。ヒートパイプなども、外からでは見えません。
重さも計ってみましょう。結果は406.5gでした。公称値は420gですが、それよりもやや軽いのは、取り付けネジ込みの重さなのかもしれません。
やはりヒートシンクをはじめとした作りがよく、とても綺麗。 アップの写真も撮影してみましたが、独特の形状が規則的に繰り返されています。
今まで使っていたのは、Scytheの「虎徹」というCPUクーラーです。12cmファンを備えたサイドフロー型クーラーです。現在は「虎徹 Mark II」という後継機が発売されておりますが、相変わらずコスパがよくとても評判が良いです。迷ったらこれを買うべきというレベルです。
そして現在使っているDefine nano Sには少し窮屈なこと、そして近々変える予定のケース「DANcase」は高さ48mmのCPUクーラーまでしか使えないので、換装を行います。
まずCPUだけの状態にし、アルコールで清拭します。使用しているCPUは、core i7 7700。TDP65Wのものです。
続いて中央にあずき大くらいでCPUグリスを乗せます。
いろいろな乗せ方があると思いますが、今回は説明書に従いました。昔は伸ばしていたのですが、下手に工夫するより、今回のやり方が一番良いみたいです。
あとは背面より四隅をねじで止めて完了です。これだけ簡単なのは、NH-L9は、intelの“i”とAMDの“a”で2モデルのラインナップだからでしょうか。幅広く対応するモデルだと、いくつかのブラケットを組み合わせて付けたりするので、取り付けがシンプルな方がメンテナンスも容易で良いですね。
一方、マザーボードの背面に取り付け穴が空いていないケースの場合、マザーボードを取り外さないといけないので、その場合は上からプッシュピンなどでつけるタイプと比べると、面倒になりそうです。
最終的に取り付け終わった状態がこちら。謳い文句通り、RAMなど周辺のパーツに干渉することなくピッタリおさまっています。
動作音においても、計測はしていないのですが、体感では虎徹と同じ程度に聞こえます。ファンの径やヒートシンクのが大幅に小型化されたのに同じ程度ということは、Noctuaのファンが優秀だからということなのでしょうか。 結果として、今回の換装は非常に満足のいくものでした。パッケージには開封のワクワク感があり、製品の作りも丁寧で高品質です。
また性能面でも、8700“K”など、TDPが65W以上の場合はわかりませんが、65W以下のCPUを使っている場合、そしてminiITXで使用する場合は、“定番”の名前に恥じない、とても良いCPUクーラーではないでしょうか。
余談ですが、世界最小といわれる「SFX A4」に取り付けてみました。最大48mmのCPUクーラーしか付けられない同ケースですが、37mmのNH-L9iなら余裕です。
このようなmini ITXのケースでは、筐体スペースを削るために、CPUクーラーに制限のあるモデルも少なくありません。そのような制約のあるケースであっても、静音性を犠牲にせず、十分に冷却できるモデルです。