エスプレッソ用のノックボックス、大きくて重いほうが快適

エスプレッソを楽しむ際の便利な道具のひとつに、ノックボックスがあります。ノックボックスとは、簡単にいえば棒がついた箱のこと。かんたんに抽出後のコーヒー粉を捨てられるため、この道具があるだけで、何杯か淹れる場合の効率が変わってきます。

ノックボックスの使い方は、ポルタフィルターをボックス内の棒に叩きつけるだけ。手やスプーンで取ろうとすると苦労するコーヒーケーキ(抽出後のコーヒー粉が固まったもの)も、叩いた勢いで取り外せるのです。

コーヒーケーキの状態は、水分が程よく抜けて、クッキーのようになっているのが理想的です。この状態のコーヒーケーキは、上述のように取り出そうとするのは結構大変で、スプーンなどで砕き、残った部分を洗い流す必要があります。

あるいは、抽出に失敗してしまうと、コーヒーケーキの水分が抜けず、どろっとしています。この場合はもう少し片付けが大変で、スプーンである程度かきだしてから、水道で洗い流します。

プラスチック製から金属製に買い替え

エスプレッソは一杯をつくるまでに調整が必要で、うまく行かない場合は、何度もメッシュの細かさや豆の量などを試行錯誤します。このように連続して抽出する際など、ノックボックスがあると、大幅に手間が減らせるのです。

これまではグラインデンスタインという、プラスチック製でコンパクトなものを使用していました。価格は3,000円ほどと手頃ですので、初心者には定番のモデルです。

グラインデンスタイン

グラインデンスタインでも実用上は問題ないのですが、本体が軽いため叩く際に手で固定する必要があり、若干不便を感じていました。またEC152Jのような52mm径のバスケットなら問題ないのですが、SilviaやRocketのような58mm径のものだと窮屈で、丁寧に叩きつけないと外にコーヒーが飛び出してしまいます。

そこで、今は大きいサイズのものを愛用しています。Concept-Artというブランドのもので、日本で使っている方はあまりいないようですが、とても良いです。

きれいにコーヒーケーキが取り外せる

本体はステンレス製で、底にはゴム足が付いているので簡単にはずれません。棒の幅にも余裕があるので、無造作にポルタフィルターを叩きつけるだけでコーヒーケーキが取り外し可能。グラインデンスタインとは違って棒が取り外せるので、洗うのも簡単です。

より力を入れて叩くことができるため、グラインデンスタインよりもキレイにコーヒーケーキを取り出せるというメリットもありました。バスケット内にほとんど粉が残らないため、あとは布巾で軽くふくだけできれいになります。

ノックボックスは1杯抽出するだけでは不要なものですが、先に説明したように、エスプレッソは豆を変えたときなど、メッシュ調整で何回も抽出することがあります。また、個人的にはカビが発生しにくい冬場限定ですが、週末に交換するというフローを行っていました。

ノックボックスがあれば慌ただしい朝でもスムーズに抽出から片付けまで済ませられるので、個人的には必須アイテムといえます。グラインデンスタインからConcept-Artに買い換えることで利便性も向上し、ますます快適なコーヒー環境に近づきました。